今期の朝ドラ主人公は難聴。ということで、難聴の私はドキドキしながら視聴しています。
ドラマを見ながら難聴の私が思ったことをまとめました。
朝ドラ主人公は片耳難聴
朝ドラ「半分、青い」の主人公、楡野鈴愛は左耳の難聴です。
てっきり私は、障害を持ったヒロインが障害に負けず生きていく話かと思っていました。
ところが彼女の苦労は通常生きていく上で人が通る苦労を描くことがほとんどです。
鈴愛は片耳だけの難聴のため、障害者手帳の対象にはなりません。
健常者とほぼ同じ生活ができます。一見すると、健常者と何も変わりません。
ドラマを見ていても、聞こえる右側に常に立つという所作自然とみんなが(もしくは鈴愛自身が)やっているため、ストーリーの上で彼女の難聴が気になることはありません。
基本的には普通の人と同じ、というのが中程度難聴、片耳難聴の認識かと思うのですがやはりそれなりに困っていることがあります。
日常生活で困るちょっとしたこと
私は、両耳の中程度度難聴で補聴器を使用しています。
日常生活は元より、基本的には健常者と変わらない生活をしています。
ただ、健常者と全く同じかというとやはりそういうわけにもいかず、ちょっとしたことでつまずいています。
例えば、レジで「お箸つけましょうか」と聞かれたり、スタバでマグカップにしますか?と聞かれたりしますよね。
この手の問いかけはまず聴こえていません。
1回聞き返してわからなければ適当にごまかしています。
補聴器はメガネと違う
私は視力も悪いので、メガネも使っています。メガネは視力矯正可能な範囲であれば、支障をきたさない範囲で見えるようになりますよね。
補聴器の場合は、補聴器を使っても通常と同じように聞こえるわけではありません。
拡声器を使って音を大きくしているイメージです。必要のない雑音まで大きくなるので、騒音下ではまるで意味がありません。
補聴器は大きく分けると、外掛け型と埋め込み型があります。
外掛けタイプはパッと見てわかりますが、埋め込み型はわざわざ耳に注目しないと気がつきません。
補聴器を使っていることを知られたくない、という意味では埋め込み型の方が良いかもしれませんが「気づいてもらえない」という意味ではネックかもしれません。
誰も難聴だと思わないので、自分で伝える必要があります。
「私、難聴で補聴器してるんです。」
これを伝えると、理解してもらえてありがたいのですが、
極端に大声でゆっくり話をされると、「特別扱い」をされていることにこっそり傷ついています。
我ながらワガママなことを言っている自覚はありますが、気持ちの問題なので折り合いがなかなかつけられないところです。
もしかしたら優先席を譲って「年寄り扱いするな!」と怒る高齢者と同じなのかもしれません。
あと、相手に気を遣わせていると事実を突きつけられる感じがあって申し訳なさで埋まりたくなります。
自分の障害と向き合えない
私は自分の難聴を人に伝えることに抵抗があります。
その理由の一つは、誤魔化そうと思えば誤魔化せるから。
あとは、聴こえていない=障害があることを人に伝えるのは自分が障害者であることを
自分が認めることになります。
私は難聴であることを受け入れられていないんだと思います。
でもその場しのぎの誤魔化しで良いことは一つもありません。
後ろから話しかけられても気がつかないので、
呼びかけを無視したと勘違いさせてしまったり、
何度も聞き返すことを不審に思われたり、
聞き返しすぎると嘲笑されたり、
相手に不快な思いをさせたり、
不審に思われないように聞こえたフリして結果的に「話聞いてなかったでしょ」と揉めたり、
難聴を隠した結果起こった良くないことはあげつらうときりがありません。
だから、最初に伝えてしまう方がいいのです。
と、頭ではわかっていても、結局言いそびれてしまうことが多いのが現実です。
それでも人と話をしたい
会話でコミュニケーションを取りにくい私ですが、それでも人とおしゃべりするのがとても好きです。
でも残念なことに大人数でコミュニケーションをとる場所は苦手です。
飲み会にいってみんなで盛り上げっていても聞こえないから楽しくない、
それでもつまらなさそうにしているのは感じが悪いので聞いているフリをする。
と言うのができれば良いんですが、疲れちゃってできないんですよね。
みんなの話に興味がないわけじゃないのです。
人の話を聞くのは何より面白い出会いで、発見で、刺激をくれるものです。
聴こえないストレスよりも人に出会う喜びは大きい
新しい人に出会うたびに、
聴こえないことを伝えなければいけないというプレッシャーがあります。
でも、それ以上に大きいのが人に出会うことの魅力です。
同じ人は1人としていないので、人の数だけ新しい発見があるし、楽しいです。
上手くコミュニケーションが取れなくて落ち込むこともあるけれど、
それでも私は人が好きなので懲りずにめげずにまた新しい出会いに飛び込みたいなと思うのです。